いやげものの価値

プレゼントを選ぶのが上手ではないから、プレゼントをもらうのもあげるのも苦手だ。でも、クリスマスに家族に会いに海外に行く時は、プレゼントを持たずに出かけるわけにはいかない。

海外にいる外国人にプレゼントを選ぶときに、日本で私が優先してしまうのは、
・いやげもの(嫌がらせみたいな、もらった人が困るもの)にならないこと
・好みの別れるものではないもの
・日本っぽいもの
・重さと体積
ということ。その結果、おせんべいとか、和柄の手ぬぐいや風呂敷とか、ユニクロのTシャツとかが増えてしまう。

重さと体積を気にするのは、自分が持っていくのが大変だということが気持ちの9割がたをしめるけれど、もらった人がその後別の国に帰ることも多いから、重いものは避けた方が良いという計らいもある。

でも、今年のクリスマスに、義兄がまったく違う発想をしているのを知って驚いた。


present今年は義兄もフランスからモーリシャスに来て、モーリシャスの親戚とともにクリスマスを過ごした。そのクリスマスの贈り物に、彼はものすごーく臭いチーズという重くていやげものになる可能性の高いものを持ってきたのだ。

そのチーズの臭さと言ったら、空港に迎えにいった私達が「あれ、犬のうんちゃんを踏んだ?」と思ってサンダルの裏をしきりにチェックしちゃったくらい。5メートルくらい離れても、彼のトランクは臭う。彼のトランクを載せた従兄の車も臭くなった。「いやげもの」の要素はばっちりだ。チーズ嫌いの人なら吐くかもしれない。

彼は私達にでかい瓶詰めの、ハート形に砂糖をくれた。かわいいけど、非常に重い。しかもなんで砂糖? 意味が分からない。一緒にくれたチョコレートはうれしかったけれど。

でも、ものすごく臭いチーズは、もらった人が笑いながらテーブルに出してくれたので食べてみたら、非常においしかった。しかも、義兄はワインを何本も持ってきたから、そのチーズはみんなが恍惚として味わう珍味に大変身。

瓶詰めの砂糖は重い。臭いチーズはいやげものだ。好みも別れるだろう。でも、もらった人は絶対に忘れない。それから、ワインやチーズ、瓶詰めの砂糖という、重いものを気にせずに運んできてくれたことには愛も感じる。

義兄のプレゼント選びの基準は
・インパクトのある、記憶に残るもの
・ずっしりと「もらった」という感じのするもの
なのかも。

「いやげもの」とか、好みの別れないものということを気にするあまり、おもしろさとか「もらった」感をおろそかにしちゃったらよくないなと義兄のプレゼントで気づいた。「いやげもの」も「おもしろさ」や「なんで?!」みたいな驚きがあったり、実は良いものだとわかったりすると、記憶に残る品に変化するし。

ということで、次回は「くさや」をお土産に……? ないなあ。日本酒と「くさや」は、ワインと臭いチーズのようにはモーリシャス人に受け入れられなそうだもの。フランスってずるい。

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