FENDIプレス発表会で、ハイブランドとエシカルファッションについて考えた

先日、仕事でFENDIプレス発表会に行ってきました。記事はこちら。
http://youpouch.com/2013/09/10/134767/
FENDIといえば、あの有名なバゲットが発表されたのが1997年。大学生だった私は雑誌で一目惚れをして、発売当日に百貨店で並んで(路面店ではなく百貨店、というところがちょっとピントずれてます)マンマバゲットと、バゲットをゲットした記憶があります。

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■私の「ハイブランド崇拝時代〜無関心時代」
もともと中学生くらいから、テレビで「ファッション通信」を見るのが好きでした。それでFENDIだけじゃなく、ディオールとかヴィトンとかセリーヌとかイヴ・サンローランとかも好きで、お小遣いだけでは足りないから、バイトをしてはバッグや小物を買うという、分不相応なことをしていたわけです。(と言っても、通っていた学校では、私はむしろ地味くらいだったと思う。)

だけど、大学を卒業したくらいから、パタッとおもしろくなくなっちゃって、やめました。「こんなにお金を使うなんて、ちょっと私、バカだわ」って思ったんです。「ファッション通信」も見なくなりました。それはちょうど、2000年代にファッション界が元気を失くしてリアルクローズに向かっていたタイミングと一致しています。私が気づいたんじゃなくて、実際におもしろくなくなっていたのでしょう。

ファッション通信で溜め息をついていたのはオートクチュールのお洋服。そのシンボルとしてのブランドがほしかったのです。でもお洋服に憧れなくなったら一気に気持ちが下がってしまい、「ロゴのために、そんなに高いお金は払う必要はない!」と思うようになりました。その後は、まあ「荷物をたくさん入れても壊れないのはヴィトン」みたいな選択肢では購入するものの、「ボーナスで買いたーい♡」とかは1ミリも思いませんでした。

それに連動して、物への興味もだだ下がり。洋服もおざなりになって、旅行時はうきうきした気分だから楽しい洋服が買えるし、その洋服は「○○で××と買った」というストーリー付きの楽しい物になるものの、そのほかは「ファストファッションでいいじゃーん」みたいな気持ちに。

■私のアンチハイブランド時代と、モヤモヤ
その後、フェアトレードやエシカルの概念に触れて、まじめに物作りをしているエシカルファッションの人たちの存在を知るようになって、物欲が戻ってきました。ほしいものが出てきました。もっともっと、おもしろいもの、ステキな物はないかしら、とお買い物が楽しくなりました。

その一方で「なんでハイブランドはあんなに高いのさ」とアンチハイブランドに。なんだか、いろんなイベントにハイブランドのバッグを持っていくのが恥ずかしいような気になりました。「きっとハイブランドは、エグゼクティブが数千万円もお給料をもらうから、こんなに高くなっちゃうんだー。エグゼクティブ、悪!」という気すらしていました。

でも、実は東京の外国人コミュニティはとても小さいので、夫のお客さんには超有名なブランドの日本支社の社長や副社長もいて、ホームパーティに誘われたり、うちの山の家に泊まりに来たりするわけです。会ってみると、みなさんすっごく良い人。「なんでこんな良い人が、そしらぬ顔して搾取してるの……?」とモヤモヤしてました。

■モヤモヤ解消&やっぱりステキなものは、ステキである
だけど、初めてプレス発表会なるものに参加してみて、なんだかモヤモヤが解消してしまいました。

プレス発表会の目玉ではなかったけれど、FENDIの2014年春夏コレクションのお洋服をじっくり手にとって拝見したら、やっぱりものすごい技術と、うっとりするような素材で作っていることが、私にもはっきりわかりました。デザインもステキ。頭の中で大内順子さんが解説をしてくれるような気分。「ファッション通信」を見ながら感じていた高揚感がドバーッと戻ってきました。でも、それはFENDIにとって当然のこと。

その高い技術だけで直球勝負するでもなく、良いなと思ってもらえるような仕掛けを考え、それを多くの人に知らせるために、並々ならぬパワーをかけているのだと、プレス発表会に行ってみて腑に落ちたんです。このブランドが憧れの存在になるために、莫大なお金をかけ、多くの人が知恵を絞り、時間をかけているのですね。だから高い。高くなくちゃいけないし。エグゼクティブが高給なのも、それを管理する責任があるからなのでしょう。

エシカルファッションのブランドは、「生産者も喜んで、私もうれしい」という「うれしい気持ち」を売っている面があります。一方でハイブランドは「憧れ」を売っている。書いてしまうと当たり前すぎるんだけど、ピタッと腑に落ちた感じがしました。

■「それいいね!」と言われるかどうかが決め手
とはいえ、今後、人々の情報源が多岐にわたるようになってきたら、今まで以上にハイブランドは告知に力がかかるようになるはずです。エシカルファッションのブランドも、ハイブランドも、ファストファッションブランドも、それ以外も、同じようにネットで情報がとれる時代です。

「うれしい気持ち」と「憧れ」と「コスパ」のどれを選ぶかは、ブランドのプレゼンと情報の受け取り手の感性次第。周りの人に「それいいね!」って言われるもの、着ていて心地良いものを作れるか、人に知られているかどうかで、ブランドが生き残れるかが決まってきそう。

オーガニックのお野菜が、そうでないものよりもまずかったら売れないのと同じだわ。今後は、ハイブランドを敵視せず、もちろんハイブランドが労働者を搾取していないことは確認しつつ、ファストファッションブランドもエシカルファッションもシビアに見ていきたいもの。そう思ったプレス発表会でした。

ちなみに、2014年春夏コレクションで、私が一番「キャー」と思ったのは、このワンピース。ほ、ほしい。
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